海女(あま)

海女(あま)の仕事内容と伝統を守る生き方:年収から就業方法まで

200万円〜500万円(漁獲量や副業による)
未経験OK
難易度 ★★★★

将来性

★★★

年収可能性

★★

やりがい

★★★★★

AI代替リスク

5%

母なる海と呼吸を合わせ、素潜り一つで宝を。2000年の歴史を紡ぐ「海の狩人」。

海女は、酸素ボンベを使わず自分の呼吸だけで海に潜り、アワビやサザエ、ウニなどを採る日本伝統の漁師です。単なる漁業にとどまらず、自然との共生や地域の文化を守る重要な役割を担っています。

この記事は以下の方におすすめ:

  • 自然の中で体を動かして働きたい人
  • 日本の伝統文化を継承することに興味がある人
  • 都会の喧騒を離れ、海と共に生きる暮らしを求める人
  • 自分の実力(漁獲量)が収入に直結する仕事に挑戦したい人

📋概要

海女は、万葉の時代から続く日本独自の素潜り漁の職人です。道具を使わず、己の身体能力と経験だけを頼りに水深10メートル以上の海底へ潜り、獲物を探します。資源保護のために潜水時間や漁獲量が厳しく制限されており、持続可能な漁業の先駆者としても注目されています。現在は三重県や岩手県、石川県などを中心に活動しており、観光資源としての側面も持ち合わせています。

💼仕事内容

素潜りによる漁獲作業

磯がね等の道具を使い、海底に生息するアワビ、サザエ、ウニ、トコブシなどを採取します。1回の潜水は1〜2分程度で、これを何度も繰り返します。

漁具のメンテナンス

ウェットスーツの補修、スカリ(獲物を入れる網)、磯がねの研磨など、日々の漁に欠かせない道具を手入れします。

資源管理と環境保全

稚貝の放流や、決められたサイズ以下の個体を逃がすなどの資源保護活動。また、磯焼け(藻場の消失)対策の清掃なども行います。

加工・販売・出荷

採った獲物を市場へ出荷したり、自家製の干物や加工品を作ったりします。地域によっては直営の海女小屋で接客を行うこともあります。

1日のスケジュール

06:00起床・当日の天候と海情の確認
08:00漁港へ集合・道具の準備・準備運動
09:00出漁(船で漁場へ向かう、または岸から泳いで向かう)
11:30帰港・獲物の計量と出荷作業
12:30海女小屋で昼食・仲間との情報交換(暖をとる)
14:00漁具の片付け・翌日の準備
15:00自由時間または副業(農作業や加工品作りなど)
19:00夕食・早めの就寝(翌朝に備える)

🛠️必要スキル

素潜り能力と息止め技術

波のある海中で冷静に活動し、適切な息継ぎと潜水を繰り返す体力と肺活量。

海洋生物の知識

獲物がどこに潜んでいるか、潮の流れや季節による生態の変化を読み解く能力。

危機管理能力

急な天候変化や、海中でのトラブル(足のつり、生物による負傷)に冷静に対処する力。

地域コミュニティへの適応力

漁協や他の海女仲間との共同作業が多いため、高いコミュニケーション能力が必要。

📜資格・学歴

必須資格

  • 漁業権(地元の漁協への加入が必須)

推奨資格

  • 小型船舶操縦士免許
  • 潜水士(法的には不要だが安全知識として有用)

学歴

不問

📊求められる特性

🤝
チームワーク3/5
💡
創造性2/5
🧠
論理的思考2/5
💕
共感力4/5
🎯
正確性4/5
🌊
柔軟性5/5

向いている人

  • 海が大好きで、長時間浸かっていても苦にならない人
  • 自然の変化に敏感で、五感が鋭い人
  • 孤独な作業に耐えつつ、仲間への配慮ができる人
  • 健康管理を徹底でき、忍耐強い人

⚠️向いていない人

  • 極端に寒さに弱く、冷たい水が苦手な人
  • マニュアル通りにしか動けず、臨機応変な判断が苦手な人
  • 都会的な利便性がないと生活できない人

🚀なり方・参入ルート

主なルート

  • 海女の盛んな地域(三重県鳥羽・志摩、石川県輪島など)に移住する
  • 地域おこし協力隊の「海女募集」枠に応募する
  • 地元の漁協に加入し、組合員として認められる

最短期間: 1年〜3年(潜水技術と知識の習得期間)

年齢制限: 特になし(ただし体力的に20代〜40代での開始が推奨される)

未経験から: 可能

⚖️ワークライフバランス

残業時間

実働時間は短いが、天候に左右される

休日

時化(しけ)の日、禁漁期間、および漁協が定める休日

リモートワーク

不可

柔軟性

★★★★

📈キャリアパス

まずは見習いとしてベテラン海女に同行し、漁場や潜水ポイントを覚えます。漁協の正組合員になることで独立した漁師として認められ、自分の判断で漁ができるようになります。将来的には後継者の育成や、地域のリーダーとしての役割を期待されるようになります。

現在の職業
海女(あま)
転職元として多い職種

💡現実を知る

大変なこと

  • 真冬や低水温時の潜水は身体への負担が極めて大きい
  • 気候変動や海洋環境の変化により、漁獲量が年々減少している地域がある
  • 収入が不安定であり、多くの海女が農業や観光業と兼業している

イメージとのギャップ

  • 🔍キラキラした伝統文化のイメージよりも、実際は泥臭い肉体労働が中心
  • 🔍移住者の場合、地域の生活習慣やルールに馴染むまで時間がかかる

🎤現場の声

最高の瞬間

"透明度の高い青い海の中で、大ぶりのアワビを見つけた時の高揚感は何物にも代えがたい。海と自分が一体になった感覚になります。"

つらかった瞬間

"全く獲物が採れず、凍えるような寒さの中で船に上がった時。自然の厳しさと自分の無力さを痛感し、心が折れそうになります。"

意外な事実

"海女さんは意外と『カナヅチ(泳げない)』の人がいる。浮力のあるウェットスーツを着て、潜ることに特化しているので、普通の水泳とは勝手が違うらしい。"

日常の苦労

"ウェットスーツの着脱が毎日だと意外と重労働。また、髪の毛が海水と紫外線でガサガサになるのは職業病です。"

🎬フィクション vs 現実

この職業が登場する作品:

あまちゃん海女の群れ

🎭 フィクションのイメージ

明るく元気な女の子たちが、毎日楽しく潜って美味しい海鮮を食べているキラキラした日常。

📋 実際の現場

実際は、水圧による耳の痛み、サメやエイへの恐怖、そして漁獲枠の奪い合いなど、非常にシビアで命がけのプロの世界。

😂業界あるある

業界ジョーク

  • 『磯笛(いそぶえ)』という潜水後の呼吸音が、知らない人には幽霊の声に聞こえるらしい。
  • 海女小屋での女子会(愚痴大会)のパワーが、漁そのものより激しい。

よくある誤解

  • 今は白い磯着(レオタードのような伝統服)ではなく、ほとんどが黒いウェットスーツで潜っています。
  • 若い女性ばかりだと思われがちだが、現役で一番元気なのは70代、80代の大ベテラン。

業界用語

  • 「磯笛」:潜水後に呼吸を整える際に出る独特の口笛のような音。
  • 「スカリ」:獲物を入れておく網の袋。
  • 「カナギ」:覗きメガネを使って獲物を探すスタイルのこと。

トリビア・豆知識

驚きの事実

  • 💎海女はなぜ女性が多いのか?一説には、女性の方が皮下脂肪が多く、冷たい海でも体温を保ちやすいからと言われている。
  • 💎1分以上息を止めるのが当たり前だが、海女さんの肺活量は一般人とそれほど変わらない。呼吸の『使い方』が特殊なのだ。

隠れた特典

  • 🎁最高に新鮮な魚介類を、最高の調理法で毎日食べられる。
  • 🎁海女小屋での焚き火を囲んだコミュニティは、都会では味わえない深い絆がある。

業界の秘密

  • 🤫実は、潜っている時間よりも、海面で『どの岩の下に獲物がいるか』を観察している時間の方が重要。

🔥やりがい・モチベーション

この仕事の醍醐味

  • 自分の五感だけを頼りに、獲物を見つけ出すハンターとしての喜び
  • 何千年も続く日本の伝統文化を自分の代で絶やさないという使命感

誇りに思える瞬間

  • 🏆自分が採った食材が、高級料亭で最高の一皿として提供されるのを知った時
  • 🏆地域の子どもたちに『かっこいい海女さん』と憧れられた時

残せるもの・レガシー

自然の恵みを乱獲せず、次世代へ豊かな海を引き継ぐ「持続可能な暮らしの知恵」を体現し続けること。

よくある質問

Q. 泳げなくても海女になれますか?

A. 競泳のような泳ぎは不要ですが、水への恐怖心がないことと、海中で体をコントロールする能力は必須です。訓練で身につける人もいます。

Q. 収入だけで生活できますか?

A. トップクラスの海女なら可能ですが、多くの場合は冬の禁漁期に他の仕事をしたり、観光業や農業と兼業したりして生計を立てています。

Q. 何歳くらいまで働けますか?

A. 驚くことに、80歳を超えても現役で潜っている海女さんは珍しくありません。生涯現役が可能な仕事です。

Q. 道具は高いですか?

A. ウェットスーツや磯がねなど、一式揃えるのに10万円〜20万円程度かかりますが、一度揃えれば長く使えます。

海女という生き方は、単なる職業を超えた「自然との対話」そのものです。決して楽な道ではありませんが、海と共に生きる誇りと、2000年の歴史を背負う充実感は、他のどんな仕事でも得られないものでしょう。勇気を持ってその一歩を踏み出す人を、豊かな海は待っています。

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