フェリー乗組員

フェリー乗組員の仕事とは?年収、資格、生活の実態をプロが解説

400万円〜650万円
未経験OK
難易度 ★★★★

将来性

★★★★

年収可能性

★★★★

やりがい

★★★★★

AI代替リスク

20%

海を越え、人や物流の未来を繋ぐ。巨大な船を動かし、旅の安全を守る『海の専門家』になりませんか?

フェリー乗組員は、旅客や車両を運ぶ大型船の運航と安全管理を一手に担う職業です。24時間体制で海上のインフラを支える社会的責任は大きく、大自然を舞台にしたダイナミックな働き方が最大の魅力です。

この記事は以下の方におすすめ:

  • 海や船が大好きで、スケールの大きな仕事に携わりたい方
  • まとまった休暇を取得し、メリハリのある生活を送りたい方
  • チームワークを重視し、規律ある環境で働きたい方
  • 専門的な技術や資格を身につけ、一生モノの職を手にしたい方
  • 日本の物流や観光を根底から支えたいという志がある方

📋概要

フェリー乗組員は、旅客船やカーフェリーの運航に関わる専門職です。主に「甲板部(操船や貨物管理)」「機関部(エンジンの保守)」「事務部(客室サービスや案内)」の3部門に分かれ、それぞれが連携して安全な航海を実現します。一般的な陸上勤務とは異なり、数日間から数週間の乗船と、その後のまとまった下船休暇を繰り返す独特の勤務形態が特徴です。日本の四方を海に囲まれた環境において、安定した物流と観光を支える極めて重要なインフラの担い手です。

💼仕事内容

操船・航海ウォッチ

船橋(ブリッジ)でレーダーやGPSを駆使し、他船との衝突を避けながら計画された航路を安全に航行します。

車両・貨物の積付管理

車両甲板にてトラックや乗用車の誘導を行い、船のバランスを考慮しながら確実な固縛(固定)を指揮します。

機関室の保守点検

巨大なメインエンジンや発電機の運転状況を監視し、故障を未然に防ぐための整備や部品交換を行います。

離着岸作業

港への入出港時に巨大なロープ(係留索)を操り、船体を岸壁に安全に固定・解らんする作業を統括します。

旅客対応・安全管理

乗客の誘導や船内イベントの運営、万が一の緊急事態に備えた救命設備の点検や避難訓練を実施します。

1日のスケジュール

00:00当直開始(0-4ワッチ):船橋での見張り・操船。静寂な海を航行。
04:00当直交代・仮眠:次の当直に備えて休息をとる。
08:00朝食・デイワーク:船体の塗装、錆落とし、各部のメンテナンス作業。
12:00昼食・休憩:司厨長が作る食事は乗組員の最大の楽しみ。
13:00入港準備・車両誘導:港が近づくと着岸作業と車両の下船誘導を開始。
15:00荷役・出港作業:新たな車両や乗客を積み込み、次の港へ向けて出港。
16:00夕食・自由時間:シャワーを浴びたり、船内のWi-Fiで家族と連絡をとる。
20:00当直開始(20-24ワッチ):夜間の航行監視を実施。

🛠️必要スキル

気象・海象の読解力

風向き、波の高さ、潮流を読み取り、安全かつ揺れの少ない航路を選択する能力。

危機管理能力

荒天時や機器トラブル発生時に、冷静に状況を判断し最適な行動をとる能力。

集団生活への適応力

限られた閉鎖空間で長期間同僚と過ごすための、協調性とコミュニケーション能力。

機械・工学知識

船体構造やエンジン、電気系統の仕組みを理解し、トラブル時に応急処置ができる知識。

📜資格・学歴

必須資格

  • 海技士(航海・機関)
  • 海技従事者身体検査証明書

推奨資格

  • 海上特殊無線技士
  • 危険物取扱者
  • 救命艇手

学歴

専門学校・高専卒以上が一般的

📊求められる特性

🤝
チームワーク5/5
💡
創造性2/5
🧠
論理的思考4/5
💕
共感力3/5
🎯
正確性5/5
🌊
柔軟性4/5

向いている人

  • 自己管理能力が高く、規則正しい生活ができる人
  • 海という自然に対して謙虚さと畏敬の念を持てる人
  • 家族や友人と離れて過ごす生活スタイルを割り切れる人
  • 責任感が強く、小さな違和感を見逃さない慎重な人

⚠️向いていない人

  • 重度の船酔いに耐えられない人(慣れも大きいが限界がある)
  • 閉鎖的な空間での人間関係に強いストレスを感じる人
  • 毎日決まった時間に帰宅し、家族との時間を最優先したい人

🚀なり方・参入ルート

主なルート

  • 水産高校や商船高専、海上技術学校を卒業して就職
  • 商船大学(東京海洋大、神戸大等)を卒業し海技士免許を取得
  • 一般の4年制大学から自社養成コースを持つ大手船社へ入社
  • 未経験から「甲板員」として乗船し、実務経験を積んで海技士試験に挑戦

最短期間: 3年(資格取得期間含む)

年齢制限: 特になし(未経験は30代前半までが望ましい)

未経験から: 可能

⚖️ワークライフバランス

残業時間

月30時間程度(当直制のため残業という概念が特殊)

休日

乗船20日・休暇10日などのローテーション制

リモートワーク

不可

柔軟性

★★

📈キャリアパス

甲板部員として入職後、実務経験を積みながら海技士試験を受けます。三等航海士→二等航海士→一等航海士と昇進し、最終的には「船長」として船全体の指揮を執ります。機関部も同様に三等機関士から「機関長」を目指す道があります。

現在の職業
フェリー乗組員
転職元として多い職種

💡現実を知る

大変なこと

  • 荒天時の激しい揺れの中でも業務を遂行しなければならない
  • 冠婚葬祭や急な用事でも、一度乗船するとすぐには下船できない
  • 狭い居住区での共同生活によるプライバシーの制限

イメージとのギャップ

  • 🔍「旅ができる」と思っていたが、寄港地での外出時間は驚くほど短い
  • 🔍優雅なイメージと異なり、錆落としや掃除など地味で体力を使う作業が多い

🎤現場の声

最高の瞬間

"深夜の当直中、満天の星空と海面に映る月道を見た時。そして、無事に港へ着岸し、大勢の乗客やトラックが笑顔で下船していく光景を見た時は、何物にも代えがたい達成感があります。"

つらかった瞬間

"台風の影響で船が大きく揺れ、自分自身も気分が悪い中で、乗客の安全確保や荷崩れの確認に走らなければならなかった時は、精神的にも肉体的にも限界を感じました。"

意外な事実

"船の上では真水が非常に貴重。シャワーを浴びる時も節水を徹底します。また、司厨長が作るカレーが曜日感覚を保つための伝統として今も根付いている会社が多いです。"

日常の苦労

"スマホの電波が届かない海域が意外と多く、陸上の友人との連絡にタイムラグが生じるのが地味に寂しいです。"

🎬フィクション vs 現実

この職業が登場する作品:

海猿映画『タイタニック』ハイスクール・フリート

🎭 フィクションのイメージ

常に嵐と戦うヒーロー、あるいは豪華客船のような華やかで優雅な生活。

📋 実際の現場

実際は、日々の地道な点検作業、書類作成、清掃が業務の8割。派手さはないが、その『当たり前の安全』を維持することこそが真のプロフェッショナルの仕事。

😂業界あるある

業界ジョーク

  • 陸に上がってから数日間、地面が揺れているように感じる『陸酔い』が起きる
  • 私服よりも作業着や制服の方が落ち着く
  • 階段を上り下りする時の足腰が異常に強くなる

よくある誤解

  • 「ずっと船に乗りっぱなし」と思われがちだが、1ヶ月単位の長期休暇もしっかりある
  • 「船乗りは酒豪が多い」というのは昔の話で、現在はアルコールチェックが非常に厳格

業界用語

  • ワッチ(当直)
  • デッドスロー(微速前進)
  • おもて(船首)と、とも(船尾)
  • ヒーブアップ(錨を巻き上げること)

トリビア・豆知識

驚きの事実

  • 💎フェリーの燃料消費量は、1kmあたり数百リットルにも及ぶことがある
  • 💎船内には『船医』がいないことが多く、乗組員が高度な救急手当の訓練を受けている
  • 💎船の寿命は約20〜25年で、その後は海外へ売却され第二の人生を送る船が多い

隠れた特典

  • 🎁乗船中は食費、光熱費、住居費がすべて無料なので、お金が非常によく貯まる
  • 🎁下船休暇中は完全に仕事から解放され、2週間〜1ヶ月の長期旅行も余裕で行ける
  • 🎁普段は見られない洋上からの絶景や野生動物(イルカなど)に遭遇できる

業界の秘密

  • 🤫実は最新のフェリーはタッチパネルやジョイスティックで操船できるほどハイテク化が進んでいる

🔥やりがい・モチベーション

この仕事の醍醐味

  • 巨大な構造物を自分の手でコントロールしているという高揚感
  • 自然の脅威を乗り越え、目的地まで安全に辿り着いた時の安堵感
  • 船上という運命共同体で育まれる、仲間との深い信頼関係

誇りに思える瞬間

  • 🏆震災などの災害時に、支援物資を運ぶ最後の砦として活躍した時
  • 🏆「この船のおかげで無事に帰れた」という乗客からの感謝の言葉

残せるもの・レガシー

四方を海に囲まれた日本において、物流の動脈を維持し、島国としての経済と生活を未来へ繋ぎ続けること。

よくある質問

Q. 船酔いが心配ですが、やっていけますか?

A. 多くの乗組員も最初は酔いますが、ほとんどの場合は数ヶ月で体が慣れます。最近のフェリーは『フィンスタビライザー』という横揺れ防止装置を備えているため、昔ほど揺れません。

Q. インターネット環境はどうなっていますか?

A. 会社によりますが、最近は福利厚生として船内Wi-Fiを完備している船が増えています。ただし、陸から遠ざかると速度が落ちたり繋がらなくなったりすることもあります。

Q. 女性でもフェリー乗組員になれますか?

A. はい、近年は女性専用の居住区を設けた船が増えており、航海士や機関士として活躍する女性も急増しています。

Q. 休暇はどれくらいもらえますか?

A. 一般的に「3ヶ月乗船して1ヶ月休み」や「20日乗船して10日休み」といったサイクルが多いです。年間の休日数は陸上の会社員とほぼ同等か、それ以上になることもあります。

フェリー乗組員は、海という厳しくも美しい環境の中で、日本の日常を支える誇り高い職業です。独特の勤務サイクルや専門資格が必要な面はありますが、一度身につけた技術は一生物。あなたも広大な大海原を職場に、新しいキャリアを航行させてみませんか?

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